5~11才の新型コロナワクチンと最近の知見(小児科学会より)
令和4年1月、日本小児科学会の予防接種・感染症対策委員会から「5~11 歳小児への新型コロナワクチン接種に対する考え方など」が公表されました。それによると(一部改変して提示)
ワクチン接種の考え方
- 子どもを新型コロナウイルス感染症(以下、COVID-19)から守るためには、周囲の成人(子どもに関わる業務従事者等)へのワクチン接種が重要です。
- 基礎疾患のある子どもでは、COVID-19 の重症化を防ぐことが期待されます。接種後の体調管理等を事前に主治医と相談することが望ましいです。
- 5~11 歳の健康な子どもでは、12歳以上の健康な子どもと同様に意義があると考えています。メリット(発症予防等)とデメリット(副反応等)を本人と養育者が十分理解し、接種前・中・後にきめ細やかな対応が必要です。
感染状況とワクチンに関する知見
- 国内5~11歳の感染例の大多数は軽症で、酸素投与などを必要とする中等症例は散発的です。今後、感染者数が増加した際、ワクチン未接種の小児の割合が増加し、中等症や重症例が増えることが予想されます。
- 0~1歳と基礎疾患のある小児患者において重症化リスクが増大することが報告されています。
- 流行の長期化で、感染対策や行動制限などが子どもの心身に与える直接的・間接的な影響は大きくなっています。
- 海外では、5~11歳の発症予防効果が90%以上と報告されていますが、新しい変異ウイルス(オミクロン株など)への有効性を示すデータは十分に得られていません。
- 米国で、5~11歳に約870万回が接種され、42,504人が健康調査されました。2回接種後、局所反応が57.5%、全身反応が40.9%に認められ、発熱は1回目接種後7.9%、2回目 接種後13.4%でした。
- 米国の予防接種安全性監視システムには、4,249 件の副反応疑い報告がありました。97.6%(4,149件)が非重篤。重篤100件(2.4%)の中で最も多かったのが発熱(29件 )。11件が心筋炎で全員が回復。
- 5~11歳では 16~25歳の人と比べて接種後の副反応症状の頻度は低かったと報告されています。