豆知識

生後4ヶ月頃までは口呼吸ができず鼻呼吸のみです。従って呼吸困難になることがあります。夜間熟睡できない場合、哺乳がスムーズにできない場合、治療の対象になります。自宅で鼻汁を吸引したり、内服薬で改善を目指します。

紅斑(赤い発疹)で中央に白い丘疹(小さな隆起)があれば、中毒疹(新生児中毒性紅斑)でしょう。原因は不明です。環境の変化に対する皮膚の反応?と考えられています。かゆみ等はありませんので、そのまま経過観察となります。

おそらく真珠腫です。歯茎の表皮が盛り上がって形成されたもので、見た目に真珠のように半球状に隆起しています。よく見ると数ヶ形成されている児もいます。痛みなどはなく、自然に消失します。

おそらく母乳・ミルクの乳カスです。ガーゼで拭き取れば取り除けますが、放置してかまいません。小児科で鵞口瘡(カビの一種)と言われることがあります。現代は栄養状態が良く、繰り返し哺乳している児で口内にカビが多く繁殖しているとは考えにくいと思っています。おむつかぶれでは、治らない・悪化している場合、カンジダの可能性が高いです。

便の色は、消化液である胆汁の色素の影響です。主体のビリルビンで黄色に、酸化されたビリベルジンでは黒緑色になります。腸内細菌の働きでウロビリンやステルコビリンに変化すると、それぞれ褐色、橙褐色に変わります。

小児科医が心配する便の色は、白い便(胆汁が排泄されていない)と赤い便(出血による血便・いちごジャム様)です。便を持参して来院ください。

まれに尿の部分がピンク色~レンガ色になります。尿に含まれる尿酸塩という結晶のためで、よく見ると小さなツブツブになっています。生後6ヶ月ぐらいまで起こり、問題ありません。赤色ならおむつを持参して来院ください。

こどもでは膀胱炎は稀です。男児でペニスの先端が赤く腫れていれば、包皮炎です。パンツなどでこすれて炎症が起こったものです。女児で陰部が赤くパンツが汚れていれば、会陰部炎です。排尿後のふき取りや入浴時の洗い方が不十分な場合、炎症が起こります。どちらもかゆみや痛みを伴いますが、軟膏を塗布すれば改善します。

乳児の皮膚は、表皮が薄く水分蒸発が多いことから、外界からの刺激に弱いです。従ってスキンケアとして保湿剤は有効です。一部の児では皮脂の分泌が多いため“あせも”を誘発します。

口腔アレルギー症候群と考えられ、食物アレルギーの特殊型です。果物を摂取直後から、口内のかゆみ、違和感、痛みなどが起こります。主に小学生以上で起こり、それ以前は何事もなく食べれていました。症状が出たら直ぐに吐き出し、小児科医と相談下さい。

卵の食べ始めを遅らせることで、卵アレルギーを予防できた医学的知見は未だありません。即ち、卵アレルギーを持っていれば遅かれ早かれ発症します。厚労省は離乳食の進め方で、離乳初期5~6ヶ月頃に卵黄などの摂取を勧めています。乳児の必要な栄養摂取を重要視しているからです。

食物アレルギーの一種、新生児乳児食物蛋白誘発胃腸症でしょう。かつて新生児乳児消化管アレルギーと言われ、ミルクで起こりました。近年は鶏卵(主に卵黄)で発症します。主な症状は嘔吐、下痢、血便です。食物を摂取して数時間後に発症するのが特徴で、胃腸炎と言われ診断が遅れがちです。通常の食物アレルギーとは違うものです。

こどもの包茎は、中学生頃までに98%は自然に改善します。従って無理に包皮を反転する必要はなく、自然に亀頭が露出するのを待ちましょう。